消費者ローンなどのノウハウを活用できる分、銀行より優位に立つ可能性は十分ある。
住宅ローンにビジネスチャンス最長35年間の固定金利で年2.5%。
04年12月、 SB 系のノンバンク、G 住宅ローン(現 S M )が発表した金利は銀行界に衝撃を与えた。
当時、銀行が取り扱う固定期間20年超の長期固定ローンは、低いものでも3%前後。
2%台前半は異例で、同社にはローンの申し込みが殺到した。
つい最近まで、住宅ローンといえば銀行と住宅金融公庫が市場を「独占」していた。
銀行界の外で参入意欲が急速に高まったのは、新しいビジネスチャンスが開けたからだ。
きっかけは政府の特殊法人改革。
住宅公庫が融資から段階的に撤退し、主力商品だった20、35年の超長期固定金利のローンは、民間金融機関が供給することになった。
公庫は民間が融資した後にその債権を買い取って証券化し、投資家に転売。
民間が長期の金利変動リスクを管理するのを支援する組織に変わる。
G 住宅ローンの商品もこの制度を活用したものだ。
新型ローンは、公庫が毎月決める「提示金利」に、融資を実行する金融機関が自分の取り分を上乗せして、自由に金利を決める方式。
営業や審査のコストを切りつめて金利を引き下げられれば、新規参入のノンバンクでも、ノウハウで勝る銀行に対抗できる金利で貸し出すことができる。
このため、ノンバンクによる参入が加速。
NGローン、A モーゲージが長期固定ローンの販売を開始したほか、住宅業者の業界団体であるZT協会連合会や、A 産業なども参入。
低利の住宅ローンを住宅販売の起爆剤にしたい不動産業者が次々にノンバンクの設立に動いている。
保険会社も動く。
MS 海上火災保険は、公庫の買い取り制度を利用した住宅ローンを投入した。
公庫と組めば銀行に対抗できる低利の商品が提供できるとの読みだ。
「他の大手損保からも打診がある」(住宅公庫)と言い、全国に張りめぐらせた代理店網などを武器に、長期固定ローンを供給する一大勢力に成長する可能性もある。
大手銀も手をこまぬいているわけではない。
不良債権処理にめどが立った今、収益力向上は最大の課題とされる。
なかでも個人向け金融(リテール)の柱である住宅ローンで後発組に負けるわけにはいかない。
「大手銀では最低金利」。
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